講 師 |
所 属 |
題目&アブストラクト |
平倉 浩治 |
HiRAK |
「drupa 2016に見るプリンティング産業変革の潮流 」
デジタル印刷といえばトナーベースEPだとされた時代は終わっていたのだとdrupa2008で判った。IJの真っ向からの挑戦で、速度と印刷幅対応、画像の見え、支持体選択性などで産業用途のEPは敗退した。更に2010年以降に、操作性、機能、色域、解像度の点で再発明されたモバイル端末のスマートフォンとタブレットは新旧の全メディアを取込み、印刷メディアの脅威となるまで急成長している。同端末はEPにも追撃ちをかけたと関係者は思い込んでいて思考停止状態のようにも見える。IJが産業向け印刷の主座を占め、紙メデイアが漸減していく中で、EPを再発明するのは既に遅すぎるのだろうか、EPは隙間市場にのみ活路を得るのだろうか。drupa2016の動向から、印刷業が次期投資をどこに向けるのかを推測し、プリンティング産業変革の潮目を見定めるための議論をしたい。
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大川 浩基 |
(株)A(エイス) |
「ものづくりの共創オープンイノベーションプラットフォーム Wemake〜富士ゼロックスとの取り組みについて」
グローバル化、IT化といった世界的な流れの中で、
消費者のニーズは多様化し、製品のライフサイクルは短くなっており、ますます競争環境
は厳しくなっている。
そういった現状を打開するための打ち手として、内部資源に頼らずに、外部資源を活用す
るといったオープンイノベーションの考えを取りいれる企業が、ここ1〜2年で加速度
的に増加している。注目すべき点は、概念的な言葉だけではなく、いよいよ実行
フェーズに移ってきたことである。そこで、今後ますます重要性を増すオープンイノ
ベーションについての過去から最先端の事例紹介や、Wemake(ウィーメイク)と富士
ゼロックス、その他メーカーとのプロジェクトで得られた知見を共有する。
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沢田 茂 |
コニカミノルタ(株) |
「iQUAVISを活用した開発プロセス支援 」
コニカミノルタでは、従来から製品開発時に「二元表」を活用しており、その運用を効率化するため、
iQUAVISというツールをベースに、コニカミノルタでの製品開発のプロセスに合わせたカスタマイズを検討した。
それにより、二元表作成の効率化や複数二元表の連携、関係要因の自動抽出、ノウハウの蓄積といった効果が期待できる。
また、電子写真プロセスの特徴である機能間の影響を考慮した課題に対しても、iQUAVISをカスタマイズすることで、対応できる方法を構築した。
本講演では、電子写真の開発に不可避な「すり合せ」課題をヌケモレなく抽出し、分かりやすく表示し、
開発者が検討や判断を適切に行なえるようにしたiQUAVISの活用イメージを紹介する。
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中山 信行 |
富士ゼロックス(株) |
「産学官連携による大規模シミュレーションの最新事例」
画像技術に関わる数値シミュレーション技術は,近年になって手法や解析対象などさまざまな進化を示してきている.材料に着目した原子分子シミュレーション技術の開発も活性化しており,画像材料向けの新規モデル開発や大規模計算実現のため,産学官が連携した技術構築や計算インフラ利用が進んでいる.本講演では,現像剤粒子シミュレーションや,機能材料の原子分子シミュレーションに関し,技術の概要と,社外研究機関と連携した高分子材料モデル開発,計算事例を述べる.また,近年活用が進んでいる計算インフラとして,Amazon Web Serviceに代表される商用クラウドと,スーパーコンピュータ「京」に代表される学術系スーパーコンピュータについて紹介する. |
山形 卓 |
(株)リコー |
「放射光を用いた顕微鏡によるトナーの観察技術」
トナー粒子は、着色や定着などの機能発現のため、顔料やWaxなどが樹脂の中に、数10〜数100nmの大きさで分散しているが、
炭素・水素・酸素原子だけで構成される微細な成分を、区別して観察することは難しかった。
放射光は、高強度のX線で、波長(エネルギー)を変えて、スペクトルを測定することができる。これまでに、有機成分間で異なる炭素のX線吸収スペクトル(NEXAFS)を使う
走査型透過X線顕微鏡(STXM)の観察を提案してきた。STXMの利用は、海外の放射光施設に限られていたが、2013年に分子研の極端紫外光施設(UVSOR)にも導入された。
導入後からSTXMの立上過程で判った炭素測定の難しさと、現在は測定可能になった炭素のスペクトルを用いて、測定データを成分マッピングにする詳細な解析を紹介する。 |
太田 光弘 |
キヤノン(株) |
「imagePRESS C10000VP 〜カラープロダクションプリンターに求められる高画質と高い生産性の実現〜」
imagePRESS C10000VPは、2006年に発売したimagePRESS C1、2007年に発売したimagePRESS C7000VP、2014年に発売した.
.imagePRESSC800/C700に続く、新たなプロダクション市場向けのimagePRESSブランド商品である。
フルカラー毎分100枚の生産性を坪量350g/u(A4ヨコ片面出力時)までのメディアに対して達成し、エンボス紙など凹凸のあるメディアでも高画質を実現する高いメディア対応力を有している.
また、新開発のトナー、新画像形成プロセスや画像制御により高い安定性を達成した。本稿では、imagePRESSC10000VPの位置づけと高画質、高生産性、高安定性、メディア対応力に関する技術を紹介する。
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内田 圭亮 |
(株)リコー |
「ビッグデータ活用によるMFPビジネスのマーケティング・ サービス革新」
当社ではMFPのリモート管理サービス@Remoteにより、リモート点検・サプライ自動
配送・機器使用状況レポート等のサービスを2004年12月から行っている。グローバ
ル百万台以上のお客様の機器稼動情報が日々蓄積されているが、近年、社内の営
業・サービス情報やパブリックデータと組み合わせて分析することで、お客様に更
なる価値を提供するビジネス革新が可能となってきている。今回はこのようなビッ
グデータ分析で実現したマーケティング革新:『必要なお客様ニーズを把握し、適
切なタイミングで提案』、サービス革新:『未然故障防止や現場での最速対応によ
り、お客様機器のアップタイム最大化』の2事例について報告する。
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