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題 目 |
氏 名 |
所 属・役 職 |
アブストラクト |
1 |
Versant2100シリーズの定着技術 〜高い生産性/用紙汎用性をコンパクトに実現するフラットニップ技術〜 |
富田裕平 |
富士ゼロックス(株)
デバイス開発本部 第一マーキング開発部 |
富士ゼロックスはColor1000Pressを市場導入し、カラー/モノクロ共に毎分100ページの高速プリントと高画質を実現し、高い評判を受けた。
さらなる市場の拡大のために、我々はお客様が求める小型、低価格、高い用紙汎用性の実現を目指し、Color1000Pressのプリント速度、高画質をそのままに体積、質量を約半分にし、用紙汎用性を向上させた「VersantTM2100Press」を開発した。 VersantTM2100Pressの小型化、高い用紙汎用性を実現するために新規開発したキー技術の一つが、フラットニップ技術を採用した小型ベルトロール定着器である。
本講演では、小型でありながら、高い生産性と用紙汎用性を実現した本定着技術について紹介する。
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2 |
超高速カラープリンター Pro C9110/9100のベルト定着技術
〜幅広い用紙対応力と高生産性対応技術〜 |
窪田啓介 |
(株)リコー
CIP開発本部 第一CP開発センタ ADPT-1G
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2015年に発売したPro C9110/9100は用紙厚(~400gsm)を問わず、フルカラー/モノクロともに130ページ/分の高速出力を可能とする高速プロダクションプリント市場向けのPro Cシリーズ商品である。
本稿では、Pro C9110/9100に搭載した、用紙対応力と高生産性を中心にその技術を紹介する。
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3 |
AccurioPress C6100/6085の定着技術 〜更なる高信頼性、高耐久性を目指して〜 |
酒巻 務 |
コニカミノルタ(株)
情報機器開発本部画像技術開発センター第1フ゜ロセス開発部 |
AccurioPress C6100シリーズは、印刷生産機としての実稼働率の向上、より高い品質の印刷物を、より確実に、安定して供給するプロダクション印刷システムの基本性能向上に拘った真の生産機として開発されたモデルであり、商業印刷業界のデジタル印刷拡大を進めているコニカミノルタのフラッグシップ機として、生産コスト改善、印刷サービス拡大に寄与する商品競争力を更に強化している。
本講演では、実稼働率向上のために必要な、高信頼性、高耐久性を実現した定着技術として、bizhub PRESS C1100シリーズから踏襲した技術、AccurioPress C6100シリーズから新たに搭載した技術を合わせて紹介する。 |
4 |
e-STUDIO5008LPシリーズ/Loops LP50シリーズの定着技術 |
吉田 稔 |
東芝テック(株)
プリンティングソリューション事業本部 技術企画部 |
2013年、東芝テックは印刷時の環境負荷を大幅に低減する用紙リユースシステム「Loops」を製品化した。(LoopsLP30/Loops RD30)初代Loopsはリユース専用機であったため、多くのユーザは、通常MFPに加え、Loops LP30とLoops RD30を追加する必要があった。第2世代となるLoops LP50シリーズでは、Loopsの技術ポイントである「消さずに定着」を実現しつつ、1台で通常のモノクロ印刷、消せる印刷、かつ本体での消色を可能とした。本講演では、Loops LP50シリーズとその定着技術について説明する。
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5 |
トナー溶融変形を考慮した定着現象のシミュレーション |
大西拓馬 |
キヤノン(株)
R&D本部 解析技術開発センター |
トナー溶融変形シミュレーションの定着プロセスの設計問題への適用方法および計算事例を紹介する。
定着の物理現象を解析し、それらの知見を定着器やトナーの設計に適用するには、トナーの変形の他、紙や定着部材の変形、部材とトナーの付着などを含む複数物理を考慮して解析し、発生する現象を決定づける設計パラメータに反映する必要がある。
ここでは、基本となるトナー粘弾性変形シミュレーションに加えて、構造や粘着との連成シミュレーション、および最適化手法の適用事例について説明する。
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6 |
定着器と搬送経路における用紙カール解析技術 |
荻野 孝 |
富士ゼロックス(株)
研究技術開発本部 基盤技術研究所 |
富士ゼロックスでは、開発の早期で設計根拠を明確にし、手戻りをなくすための解析技術の構築を進めている。電子写真装置の主要課題である用紙カールは、これまで発生メカニズムが十分に解明されておらず、その解明と予測技術の構築が望まれていた。そこで、メカニズム解明のため、用紙物性の計測・解析手法を確立すると共に、その結果から用紙変形モデルを導き、カール量予測技術を構築した。
本技術により、定着装置の設計パラメーターおよび、搬送径路に依存して変化するカール量を、高精度で予測することが可能となった。本技術を新商品の開発に適用することで、設計工数を削減した。本発表では、解析技術に加え、活用事例を紹介する。
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7 |
ケミカル定着方式 〜熱を使わない省エネ定着〜 |
片野泰男 |
(株)リコー
リコーICT研究所システム研究センター |
究極の省エネ定着として、トナー軟化剤を含有した定着液を緻密な泡状 にして、未定着トナーに付与する湿式定着による非加熱定着を検討した。
定着液を緻密な泡状にすることにより、0.02g/cm3程度の極めて低密度な液となり、紙への液付与量を大幅に削減でき、また、緻密な泡は流体としての性質がなくなるため、トナー層と接触した際のトナー層の液流れを防止することができた。これにより、従来の湿式定着の課題であった未定着トナー粒子層の乱れや紙の湿った感が生じることなく、短時間での定着を実現でき、非加熱で従来熱圧力方式並の定着の可能性が見出せた。
本報告では、定着原理及び装置構成を中心に、本方式の現状を報告する。
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8 |
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荘所義弘 |
元村田機械(株) |
マイクロ波とは周波数2.45GHzの電磁波であり、信号伝達手段として無線LAN、無線マウス等に用いられている。加熱手段としては、加熱対象物が抵抗体だけでなく、導電体、誘電体、磁性体いずれも条件が合えば加熱が可能となる。このマイクロ波加熱は電子レンジが有名であるが、トナー定着にも応用できないか同志社大学と村田機械が共同研究し、ようやく研究開発段階が終了したので、この研究結果を紹介する。
研究のポイントは、(1)紙にマイクロ波を集中させる方法、(2)紙を均一に加熱する方法、(3)通紙用の開口部から電波を漏らさない方法、(4)加熱効率をアップさせる方法、(5)装置に組込む方法、である。なお、研究内容は既に同志社大学から画像学会シンポジウム等で発表されていますが、今回はメカ屋にも判りやすくマイクロ波加熱を紹介します。
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長谷川真史 |
富士ゼロックス(株)
デバイス開発本部 次世代マーキング開発部 |
Short beam dwell timeとトナーの直接加熱による究極的な局所加熱を実現する技術として、近赤外レーザと近赤外線吸収剤を併用するレーザ定着技術を検討した。従来の熱圧定着では難しいフィルムメディアにも電子写真の適用範囲を広げる技術であり、紙系メディアに加えて樹脂系の粘着シールやPETフィルム、OPPフィルム等への印刷を可能にする。一方、白色の裏刷りに4色カラー画像を重ねるような高積層画像での定着成立範囲やレーザ素子コスト等の課題に対し、今後の対応検討が必要になる。
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